最近は,愛想をよくすること,
人を助けること,人づきあいをよおくすることが,
マネージャの資質として重視されている.
そのようなことで十分なはずがない.
事実,うまくいっている組織には,
必ず一人は,手をとって助けもせず,
人づきあいもよくないボスがいる.
この種のボスは,とっつきにくく気難しく,
わがままなくせに,しばしば誰よりも大きの人を育てる.
何が正しいかだけを考え,誰が正しいかを考えない.
真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない.
このような資質を欠く者は,いかに愛想がよく,
助けになり,人づきあいがよかろうと,
またいかに有能であって聡明であろうと危険である.
そのような者は,マネージャとしても,
紳士としても失格である.
マネージャにできなければならないことは,
そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる.
始めから身につけていなければ
ならない資質が一つだけある.
才能ではない.真摯さである.
エッセンシャル「マネジメント」より.