2011/05/06

ドラッカー

最近は,愛想をよくすること,

人を助けること,人づきあいをよおくすることが,

マネージャの資質として重視されている.



そのようなことで十分なはずがない.



事実,うまくいっている組織には,

必ず一人は,手をとって助けもせず,

人づきあいもよくないボスがいる.



この種のボスは,とっつきにくく気難しく,

わがままなくせに,しばしば誰よりも大きの人を育てる.



何が正しいかだけを考え,誰が正しいかを考えない.

真摯さよりも知的な能力を評価したりはしない.



このような資質を欠く者は,いかに愛想がよく,

助けになり,人づきあいがよかろうと,

またいかに有能であって聡明であろうと危険である.



そのような者は,マネージャとしても,

紳士としても失格である.



マネージャにできなければならないことは,

そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる.



始めから身につけていなければ

ならない資質が一つだけある.



才能ではない.真摯さである.




エッセンシャル「マネジメント」より.